NOVEL 1

【世界が凍るとき /日番谷+雛森】
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「藍染隊長を殺すの?」

改めて言われて、ズキリと胸が痛んだ。

自分はその為にこうしているというのに、オレは。

知らず息を呑む。

それは雛森への違和感からではなく、ただ『藍染を殺す』という当然あるべき結果を、改めて実感した為だった。

そしてオレは『そうだ』と即答することができなかった。
周りは、きっとオレが雛森の心情を思いやってのことだろうと受け取ったかもしれない。
確かに彼女への戸惑いもあった。

けれどそれより――――――。

苦しかった。

せめて『倒す』といってくれたなら、誤魔化されたかもしれない。
だが雛森は残酷なまでに真実だけを問うた。

まるでオレを責めるように。

オレだって殺したいわけじゃない。
藍染が嫌いだったわけじゃないんだ。

騙されて、雛森を傷つけられ、自身切り捨てられた。そのことに対して悔しさと憎悪の念はある。
だがどうしても殺してやりたいほど憎いかと言われれば、単純に頷いてしまうにはオレの短いといえる人生の中でも藍染との思い出はそれなりに大切なものだったんだ。

その思い出の中には大抵雛森も一緒に居た筈なのに。


苦しくて息が出来なくなりそうだった。

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