1/6ページ目 それは奇異な光景だった。 諸悪の根源ともいえる敵の本拠地・虚圏にある虚夜宮の本営に一人、黒の死覇装を纏った死神が佇んでいる。 玉座に座る男の前に立つその死神の少年――――というより幼い子供の外見だったが―――――を取り囲むように白い死覇装の破面達が窺っていた。 「来てくれると思っていたよ、日番谷君」 「………お前の思惑通りだよ」 少年は感慨もなく応える。 「雛森君は、はやり僕なしでは無理だったかい?」 玉座の男は口元に笑みを浮かべながら、だが少しも面白くなさそうに言う。 彼が裏切った少女は心が壊れたまま、もう幼馴染の少年を必要としなかった。 かつて大切で唯一と思えた太陽が、実は何より重い足枷と同義だと気付いたとき、少年の剛い心は凍えてしまった。 その斬魂刀の性そのままに。 小さな胸に見えない大きな虚無の穴が開く。 そうして彼女という足枷が外れれば、彼の心は酷く軽く世界に無関心だった。 滅んでもいいと思えるくらいには。 [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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