NOVEL 1

【殺シテモ殺シタリナイホドノ /藍日・16禁】
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「……身体は大丈夫かい?」

藍染は自分に背を向けて布団にしゃがみ込んでいる小さな背中に声を掛けた。

申し訳程度に羽織っている襦袢は皺くちゃで、肩甲骨が浮き出た細い背を半ば以上晒している。
前のめりに手を付いて俯いているので、少年の表情は窺うことができなかった。

掛けた言葉に返事はない。
藍染も大丈夫である筈がないことを承知していたので、問いへの応えを求めていたわけではなかった。
ただ何かしら、―――――悪態なり何なりが返ってくるだろうと予想していたのに何も反応もないことに眉を潜める。
のろのろと身を起こしたまま動かず、まるで放心しているような日番谷に藍染は聞いた。

「そんなに僕が嫌いだったかい?」

昨晩、半ば強引に組み敷いた肢体は、性別も年齢も男を受け入れるのには全く向いておらず、ほとんど暴力に近い行為に悲鳴を上げていた。

だが藍染とて全く意に沿わぬ相手を無理に手篭めにするのは―――――趣向としては案外好みだったが―――――後々面倒なので敬遠してきた。
昨晩のことは、日番谷も藍染に少なからず好意を持っているという認識のもとでの行為だった。
彼は自分を好いている。
これは確信だった。
多少強引になってしまったのは、認めたくはないがらしくもなく焦っていたからだろう。
普段と違い手荒にした自覚はあるので、彼に嫌われた可能性は否定できない。

これが自分という男の本性だと、彼は気付いたろうか?

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